One

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   ただ ぼんやりと それでも執拗に往来を眺めていた

   いっこの転がるめだまのようになって

   そんな肉のようなものをもっていたかも今となっては定かではないけれど

   眺めていた

 

   たぶん 理解できなかったのだろう

   目をつぶると喧騒もひとびとも まるでなかったことのようになってしまう

   いま 見ているということは一体なんなのか

   なぜ ムコウガワの住人ではないのか

   風景に同化すると こんどこそ本当にすべて消えてなくなるのか

   

   耐え難かったのかもしれない その途方もなさに

   恐怖し泣き叫ぶべきだったのか

   担うべきこころが備わっていなかった(いまも ない)

 

   どこかにいるべきだったのだろうか

   あの切通しのさきの通り魔が出没すると噂された薄暗がりだろうか

   なぜかいつも水が流れている 

   ときおり水位があがって満たし 別の場所へ通ずる

   そのさきのあの暗闇はあったのだろうか

   天井や床の木目がゆらいでなにかにじみだす その奥のほう

   横断歩道の白線を踏み外すと落ちてしまう奈落

 

   そんなこどもの戯言は早々に追い払って

   どこか倉庫のすみにでもうっちゃらかしてしまえ!

 

   もうとっくに落っこちてしまっているのかもしれないけれど

   ただ気付いていないだけなのかもしれないけれど

   発すべき言葉が根付き生い茂る滋養のない

   いつもなぜだか水がぴちゃぴちゃ漏れ出している白いコンクリート製の地下倉庫に

   たえずこのときを いま 踏み外しながら

 

   (白目の内側の水位がすこし上がってきた気配)

 

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   さてさて 詩人さんという種族ならば

   ここから幻想旅行記でも一本ものにするところなんでしょうけれど

   あいにく私はポエジーには無縁の心底無粋な人間でして

   できることは ただ 

   どう始末をつけましょうか?それを考えることくらいですかね

   それでもけっこうたのしく暮らしてきましたよ ええ

 

   願わくば なるべく禍の種にならないことを(すでに?)

 

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