Lapis Lazuli

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               ひかりは失速して久しく

               なかば溶けかけた身をおこし想う

               届かない息を肉袋に詰め込んで署名すると

               沈んださきの雑音ふるえ

               蒼空の残り香ひび割れ洩れ出す

 

               すこしの破片が流れて明滅する

               すべてをなげうつなどとうていかなわず

               ただ目覚め始めたなけなしの触覚をたよりに

               動き出してはみるものの

               いまだ柔軟になれない甲殻がじゃまをして折り返す

 

               身の奥のかなた決壊し

 

               かたちをとりはじめる別の声

               肉汁の内側さかあがり皮の裏側まで到達すると

               うねりながら外側のほつれと共鳴して火照る

               迎いあげられた今日と明日

 

                     つながる

 

                      ありふれた

 

                       奇跡

 

  

               薄皮へだて陰陽の鼓動ふたたび

               嘘の欠片を孕んで迷脈する

               すべてわすれていいよ

               鉱物質の音の場を紡げるのなら

 

               青の宙を詩う

               いつか海へ帰る日まで

 

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