Pied Piper

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               遠くで笛がないている

               あのひかりの熟すさき

               先触れだろうか

               ますます遠く しだいにはっきりと

               一足ごとに周囲に溢れだし重量を増して行く

 

               遠くで笛がないている

               ひかりのかなた

               ひかれたものはひとりとして帰ってこなかった

               ひみつに残され

               ただ

 

               気付けば周囲は空白の羊水に満ち

               純粋なひかりあふれる

               まとわりつく

               もはやなにも見えない

               笛のね 残像こだまして

      

               やがて

               ひかりも音も潮が引くように

 

               ひとりきりの生還者 

               焼け残った声

               すべてのあわい

               まどろみのなか合う

               なかばかき消されながら

               

               朝明け時

               心音と踊る

               カタチなき問い

               喉笛に寄生して

 

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