ヨルノケモノ・帰還

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                 匂い聞きつけ 

                 いま

                 返って来たよ

                 かりそめの

                 肉の骨身を晒しだし

                 肉屋の店先垂れ下がる

 

                 真っ暗闇の仮説から

                 半身ずいとせり出して

                 膨らんでゆく

                 むず痒い香り

                 破裂して這い出す小さな気配

 

                 ぞわぞわ広がる匂いの向こう

                 なにかの塊りであたりはいっぱい

                 見渡せない

                 見開く目のウロのなか

                 堅実な時間もぴょんぴょん跳ねる

               

                 ぺたん 

                 しゃがみこむ

                 こどもたちは貪る

                 匂いのおくのがらんどう

                 冷蔵庫だけが目を見開いたまま

 

                 干からびすえた臭いの諦観

                 青黒い空を呑み込んで

                 それでも

                 小さな額の裏側に

                 肉芽を生やし

 

                 それは希望

                 それとも