読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

十三夜

f:id:mhkj2:20170410214832j:plain

 

               彼方から 轟音

               空を悲しく軋ませて

               地平の端の切れ目から

               腐り溶けて堕ちて行く

               いっそすべて無に帰して

 

               花びらは舞う

               誰も歌わない

               鎮魂詩に乗り

               観客のいない

               夜空を舞台に

               

               最後のひとひら

               そっと還ってゆく

               月光の差し伸べる手

               すべてを摘み取って

               仄かな光 土に染む

 

                香る

               何かがあった空白に

               遥か降り注ぐ

               薄紅色の面影

               ゆっくりゆっくり

               満ちてゆく

               地上の罪 

               ひとつひとつ温めて

   

               一夜繰り広げられる

               戦い

               永遠に繰り返す

               静寂

               深まる春の闇の中

 

               まだ宵の口

 

広告を非表示にする