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言語発生論

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     トコロは店の所在さえ 定かではない 打ち捨てられた古道具屋

     その一角の片隅に 忘れさられたパンドラの甕

     しがないぬか漬け造りの壺として 細々その日の口ぬらす

     降り積もった忘却と ぬかの匂いに疲れ果て

     おもむろに語りだすさま あはれなり

 

      われこそは

      憎しみ 妬み 悪だくみ あらゆる快楽を地にもたらし

      希望 期待 未来に明日 災厄もまた生み出した

      だからこそわれこそは 真っこと私のことこそが 人類の祖であるのだよ

 

 

     それ聞いた店番 声かけた

 

      小汚い、おっと失礼、甕様大明神様

      それでは不肖わたくしめのため なにか出してくださいな

      できないとは言わせない

      もしも何も出ないと言うのなら 叩き割って不燃ごみ

 

 

    漬物の壺 口惜しいやら恐ろしいやら

    白目をむいて 顔真っ赤 紅白の餅もかくありと

    踏ん張ってはみるものの ついには 目ん玉飛びだして

    おめでとうと言ったか定かでない

 

 

    けれど暗い廃材置場 漬物壺の欠片から

    なにやら にょろっと這い出して 虚空に消えたと人伝に

      

         

 

                                後人そのにょろを

         「言葉」と呼んで蔑んで 同時に敬い奉る 

                               快楽 災厄  そのすべてをいつか見とる

     

 

                   灰燼の上に立つ      

 

             

                      灰の王

 

 

 

 

               とは定かでない

 

 

 ※ここで語られている会話はいったい何によってなされているのか?

 それが学会の一大スキャンダルに発展してゆくのは またのちのちのお噺。

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