ヨルノケモノ・帰還

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                 匂い聞きつけ 

                 いま

                 返って来たよ

                 かりそめの

                 肉の骨身を晒しだし

                 肉屋の店先垂れ下がる

 

                 真っ暗闇の仮説から

                 半身ずいとせり出して

                 膨らんでゆく

                 むず痒い香り

                 破裂して這い出す小さな気配

 

                 ぞわぞわ広がる匂いの向こう

                 なにかの塊りであたりはいっぱい

                 見渡せない

                 見開く目のウロのなか

                 堅実な時間もぴょんぴょん跳ねる

               

                 ぺたん 

                 しゃがみこむ

                 こどもたちは貪る

                 匂いのおくのがらんどう

                 冷蔵庫だけが目を見開いたまま

 

                 干からびすえた臭いの諦観

                 青黒い空を呑み込んで

                 それでも

                 小さな額の裏側に

                 肉芽を生やし

 

                 それは希望

                 それとも 

 

                

地の腑

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               夏のひび割れ光が溜まる

               腫れ上がって這い上がる

                 不具のいのちを引きずり出して

 

               祈りのかたちは地に蔓延り

               血からみなぎりぎぎぎと啼くから

               カラカラかぜふくぜぜぜぜ音

               おんおん終わらず終わらせられず

               翻ってはくよくよぐるるるるる

               淵を溶かして染みわたる

 

               来るもの食うもの空ものがたり

               語らう至らずかたちが足りず

               不届きものに届く声

               遠く呟く野辺の岸

               ぽたぽたぽた染みだして

               かたちあるもの成しませる

 

               世界が来る

               吹きさらすウロみわたせば

               ごうごうごうごう業蠢き

               恍惚のなか

               生む苦しみと腐り逝く無心

               歓喜の孤独

               それでも世界は美しい

 

                  瞳を閉じて

 

 

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Sacrifice

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                     闇

 

 

                息をひそめてひそひそそ

                生臭い肌理をすりよせて

                紅色チロチロ舌なめずり

                しだいしだいに寄り隗まって

                いつしかいのちのほのおが灯る

 

                ほのおははしる

                真昼の空を夢見て

                ぞくぞくぞくぞくふきだす火勢

                いつしかかたち成し

                それはちいさなお祭り

 

                さかさまになって申す申す

 

                われうたかたにいまうたう

                うれしやとうとううきよのきわ

                いでましてはいだしはびこって

                ちのけのけもののけをけがす

                よぞらにきずをつけてさえ

                えいごうゆめみててをのばす

                されど

                せつなにともりしいのちのひかり

                てからにげゆくからからと

                てにてにてをとりとりとりにがし

                いまわいまわのわかれうた

                またたのしからずや

                しかばねの

                のうりにしみいる

                しののめのいろ

                

    

                    闇

 

 

                くらがりを陽光に託すと

                中空にうつしよ

                やがては空に空蝉の渇き

                ひそかに陰翳を照らす

 

 

 

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謝肉祭の夜

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             一番目に招かれた客は花束をたずさえやってきた

             凍結された怨嗟を溶かして酒宴をひらく

             怒りの花で蒸留された酒は奔流となり

             街を呑み干し宴もたけなわ

 

             二番目に招かれた客は実りをもたらした

             水浸しの街に不具の命が満ち満ちる

             こどもたちは爛れた脂肪を火にくべる

             古いものを燃やし尽くせ

 

             三番目に招かれた客は収穫の時を知らせに

             全き善が生贄を欲している

             炎の使徒は全てを投げ打ち街は火の海

             贖罪の炎を燃やし続けろ

 

             四番目の招かれざる客は祈り続ける

             赤々と火球が空を覆いつくし

             地平線から火の手が上がる

             大音量でこだまする天使の歌声

 

             彼方から

 

             Oh it's such a perfect day

             I'm glad I spent it with you

             Oh such a perfect day

             You just keep me hanging on

             You just keep me hanging on  ※

 

             悠久のロンドを舞い続けろ

             すべては報われる

             祝祭の炎が尽きるまで

 

 

                                              ※Perfect Day (Lou Reed

 

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Ecco

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                  ホーイホイホイ

                  こだまして

                  誰かの観た夢のよう

                  鳴り響く

                  街の灯が混じり合い

                  足元ゆれる

                  道路もガラスもいっせいに

                  聞き耳たてて立ち尽くす

 

                  それはきっと正しい選択

                  消え入る一瞬

                  しめやかな大にぎわい

                  最後の命の炎のカタチ

                  対案はなかった

                  ありがとう

                  とても楽しかったよ

                  壁も夜空も 口々に

 

                  すべてのひかりが反射して

                  坩堝のよう

                  はらはら崩れる

                  歓声

                  放射する

                  ざわめき

                  万歳三唱

 

                  あの時

 

                  もうそこにはない声

 

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ゆりかごゆらす

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               たたたんたたたんたたんたた

               ねたこおこすな

               しみとおる

               そまって

               さわる

               いたいいたい

 

               誰にも知られず

               雨粒踊りゃ

               かえるにあめんぼひきつれて

               鼓笛隊のお出ましだ

 

               さわぎききつけ

               水底の帳開くよ久方の

               遺訓万年閉じこめて

                                                        忘れ去られた古井戸だ

               水面に合わさる月の影

               ぴたりととじた瞳のおく

                  なにかのいぶきがよみがえる

                   

               此の世脱ぎ捨て立ち上がる

               仮面の奥のいとといと

               はばたけ飛び出す翻る

               見知らぬ風を送り付け

               聞こえぬ拍手に追い出され

               逃げては帰る吊るされて

               問い詰めあえぐ一欠けら

                

               生まれ損ねた時の疵

               もいちど深い眠りの奥へ

               地上の同胞道連れに

 

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うつら

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                純粋な ぽかん 

                なつやみうかぶ

                 風にふかれ

                首 かしげ

 

                水はゆっくりひろがって

                ゆめみるように大気のなか

                ゆらゆらゆらゆらかげろうに

                草木はしずかにおいしげり

                きらめきながら腐りゆく

                喜怒哀楽はその継手

                星 海 大地もみなおなじ

 

                くるりんふりむき首のさき

                池のほとりのまたさきの

                そのさきさきさき地平線

                ヤッホヤッホヤッホッホ

                ヘリから昇ってやってくる

                だれかの想い てらされて

                災厄の炎 すさまじく

                眩しく けなげに

 

                何度も何度でも

 

                それでも世界はうつくしい?

                すこし寂しげつぶやいて

                純粋なからっぽ

                そっと目を閉じる

                水底のどろのなか 光の種を託して

                蒸発してゆく うとうとうとと

                夏の陽光のなか ゆっくりと

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Fragile

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                  恥ずべき花

                  踏み潰す

                  

                  体液がこびり付く

                  純粋な黒 穢す

                  ただただ虚けて白く

                  腐臭放ち

 

                  闇の鼓動も

                  溢れ出るはずだった光も

                  すべて無に帰し

 

                  手にかけたのはお前

                  此の世はこわれもの

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月光蟲(夏至)

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               うみとりくのあわいから

               うぶごえあげるヴァイオリン

               みかづきこしかけものういかお

               ときのたにまでいんえいかなで

               さざめきさびてさびしげに

               よぞらしんしんひびかせて

               つきのかたちのくずれゆく

 

               つちのかすみのおりののべ

               ながれてひえてかたまって

               ぐるぐるぐるぐりかたちなし

               むしがいっぴきはいずりだす

               ちのやみおびおびおびえてあおぐ

               こくうみつめてひとりなく

 

               そらのひびきのはらはらつもり

               むしのからだをましろくてらし

               るるるるりりるるりりるりるるる

               うたのともしびすべてをもやし

               むしのね ひかりね ちにみちみちる

 

               さけてひろがるよるのひび

               ほしのらくるいうけとめて

               わきてあがるはいのちのかたち

               むしにやどってよぞらににじり

               くさきのすがたのかけのぼる

                    

            

                           夏。

 

 

                                                    ※漢字に変換するか思案中

              

 

 

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ありもしない

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                  佇む

 

               密閉されてうずたかく

               幾千万もの夢の外

               ひっそりしんと息ひそめ

               重たいからだ生ぬるく

               倦怠ぞくぞく群がる集る

                

               とりかえしのつかない予兆

               ほうほうと逃げ去る気配

               広がる錆びる見知らぬ記憶

               泡の穴から流れ出て

               ねばねばむらむらじっとりと

               

               埃っぽい外光

               しなだれ崩れる

               いま 陰影かがやく

               大きなモノに食われながら

               わらわらはらはらははははは

 

               それは平安

               それは咲く

               懐かしくも化体する

               不思議な姿 穴のない

 

               しののめしらむ

               あかるくされて

               影だけにじみ

               もはや世界は美しい

 

               嵐がやってくる

 

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ロロロロロンドロロロロロ

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               成り成る成れる成り成らず

               鳴りとて止まぬ生りぬりぬれば

               おテテつないで輪になリリリて

               カゲヲ集めてウタカタおどれ

               リリリリロロロルロリリリリリ

               詩を謳えば謡い生る

               実らぬ堪忍閑古鳥

               イズルズルイズイルルルルルルル

 

               明けやらずの願いの谷間

               累積されて抜き差しならず

               時の弛緩のしじまの仕舞い

               始末に困って無き濡れ場

 

               バッカジャネーノ!

               浴びるは罵声は

               明け透けABYSS

               阿鼻叫喚の悪戦苦闘

               空一面に絶ち混める

               空の音空に空重ね

               愚行グングン空言を紡ぐ 

              

                     呆けた言葉

 

                   ほぅ。

                    消える

                

 

Another Babel

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                   凪の夜 月影の下

 

                海上を照らし寄り来るものあり

 

                   シズシズシズ

 

                   ザワザワザワ

 

                   ザブザブザブ

 

                   物憂い顔の月の塔

                   波打ち際で ヨッコラショ

                   休憩中に独り言つ

                   ヤレヤレどうやら寝過ごした

                   静かな海底スーヤスヤ

                   あっというまに幾千年

                   使役していた奴隷ども

                   スッカリ逃げ去り散り散りに

                   捕えてみれば退化して

                   言葉も通じぬ浅ましさ

 

                       さて

 

                   どうしたものかと月の塔

                   いっとき思案し立ち上がる

                   ここはとんだ骨折りだが

                   やっぱり全員ひっとらえ

                   ミンチにして土に埋め

                   地虫に戻してやりなおし

                   よく見りゃ浅まし奴隷ども

                   蔓延りすぎて糞尿を

                   まき散らしては地を穢す

                   昼寝の場所もありゃしない

 

 

                   フゥ と息吐き月の塔

                   ゆっくり重い腰を上げ 

 

 

                     いま再び 地上へ

 

 

                                            ※以前書いた「約束の地へ」の後日談です~

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                橋を渡ってやって来る

                降りしきる雨 お調べに

                静々と 深々と 然々と

 

                朝明け時に残された夜

                溶かされ白む

                寸前 

                恨み言ひとつ 泡となり

 

                   花がいま 面 外した

 

                 時が始まる

                 くるりくるくる歓声あげて

                 みなも舞台に踊れや謡え

                すべては舞いの輪のなかへ

 

                 声高な昼のはざまのがらんどう 

                 吐息がましろく濁ったら

                 しぼって堕ちて塊って

 

                  ひとひらのいのり

                  舌なめずりして波紋を照らし

                  やがては帰る 行く先揺らす

 

 

                       花一輪 散った

 

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行方

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                   海が来る

 

               瞬く境界 裏の表の舌が夜

               狭間を穿つ 蔓延るうねる

               痕跡裏向き逆立ちて 

               契る千切れる空しと喚く

 

               裏がえ摩れる 煉獄苦界 

               悔悟の極楽繰り語の誤解

               後生大事に占め自滅つなぐ

               向きなく終わらず 続いて続く

                                                      

               残さず従い風抜けて  砂塵に刻む永遠の殻

 

                とどろく響く おぎゃあとうぎゃあ

 

                     臭い。

 

 

                 ※かきかけ

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No way street

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               視線はらはら降り積もる

               仕留めた弛緩をしたためて

               しめやかな干満を

               音たて ゆれる 焚き上げる

 

                石棺の借景

               人に仕えたモノたちは無駄骨

               ほぅ と 小さく息をつく 

 

               ヒソヒソヒソヒソ

               人の影だけ

               ヒタヒタヒタ

               

                閉じるスッカラカン

                月影 黒く焦げる

                開かずの夜の帳の奥へ

               

                誰もいなくなったこの街に

 

 

              ※かきかけ

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